こんにちは!クローゼットに一枚はあると、とっても便利なファッションアイテム「カーディガン」。肌寒い時にサッと羽織ったり、コーディネートのアクセントにしたりと、一年中大活躍してくれますよね。でも、そのカーディガンについて、どれくらい知っていますか?「カーディガンとセーターって何が違うの?」「この素材ってどうやってお手入れすればいいの?」「なんだか着こなしがワンパターンになっちゃう…」なんて、意外と知らないことや、ちょっとした悩みがあったりしませんか?
この記事では、そんなカーディガンの「?」を解決する、お役立ち情報だけをギュギュっと詰め込みました。特定の商品紹介やランキングは一切ありません。純粋にカーディガンというアイテムを深く知って、もっとファッションを楽しむためのヒントをお届けします。この記事を読み終わる頃には、あなたも「カーディガン博士」になっているかもしれませんよ!それでは、奥深いカーディガンの世界へ、一緒に出かけてみましょう!
カーディガンって、そもそも何?
まずはじめに、基本の「き」。カーディガンとは一体どんな服なのでしょうか。当たり前のように使っている言葉ですが、その定義を改めて確認してみましょう。
カーディガンとは、一般的に「前開きで、ボタンやジッパーなどで留めることができるニット製の上着」を指します。素材はウールやコットン、カシミヤなどのニットが主流ですが、最近ではスウェット生地のようなカットソー素材のものも増えています。もともとは防寒用の衣類でしたが、今ではファッションアイテムとして、様々なデザインや素材のものが作られています。
カーディガンとセーターの違い
カーディガンとよく似たアイテムに「セーター」がありますよね。この二つの違いはとてもシンプルで、「前が開くかどうか」です。頭からすっぽりかぶって着るタイプのニットウェアを「プルオーバー」や「セーター」と呼び、前が開いていて羽織ることができるものを「カーディガン」と呼びます。お店で「セーターを探しているんです」と言って、カーディガンを案内されることがあるかもしれませんが、厳密には違うものなんですね。素材や編み方は共通していることが多いので、親戚のような関係、と考えると分かりやすいかもしれません。
カーディガンとベストの違い
次に「ベスト」との違いです。これも簡単で、「袖があるかないか」が大きな違いです。カーディガンには基本的に長袖や半袖の袖がありますが、ベスト(フランス語ではジレ)には袖がありません。ただし、ニット素材で前開きの袖なしベストもあり、これは「ニットベスト」などと呼ばれ、カーディガンと近いカテゴリーで扱われることもあります。
カーディガンとジャケットの違い
「ジャケット」とも混同されることがありますが、これも明確な違いがあります。一番の違いは「素材と仕立て」です。カーディガンは主に編み物である「ニット」で作られているのに対し、ジャケットは織物である「布帛(ふはく)」で作られているのが一般的です。ジャケットは肩パッドが入っていたり、裏地がついていたりと、かっちりとした構築的な作りをしています。一方、カーディガンはニット特有の柔らかさや伸縮性があり、よりリラックスした着心地なのが特徴です。カーディガンはカジュアルな印象が強く、ジャケットはフォーマル度が高い、と覚えておくと良いでしょう。
カーディガンの歴史を紐解く
何気なく着ているカーディガンですが、実はその誕生には、戦争が深く関わっています。カーディガンの歴史を知ると、一枚の服に込められた物語が見えてきて、より愛着が湧くかもしれません。
名前の由来はイギリスの伯爵
カーディガンという名前は、人の名前に由来します。その人物とは、19世紀のイギリスの軍人、第7代カーディガン伯爵ジェイムズ・ブルデネルです。彼は1853年から1856年にかけて行われたクリミア戦争で、騎兵旅団を率いていました。
当時のイギリス軍の軍服は、頭からかぶるタイプのウールのセーターでした。しかし、戦場で負傷した兵士にとって、このセーターを脱ぎ着するのは非常に困難でした。傷に触れてしまい、激しい痛みを伴うこともあったのです。それを見かねたカーディガン伯爵が、兵士たちが楽に脱ぎ着できるように、セーターの前を切り開いて、ボタンを付けたのがカーディガンの始まりだと言われています。
この前開きのセーターは、負傷兵だけでなく、体温調節がしやすいため兵士たちの間で大変重宝されました。戦争が終わってイギリスに帰還した兵士たちによって、この便利な上着は一般にも広まっていきました。そして、発案者であるカーディガン伯爵の名前にちなんで「カーディガン」と呼ばれるようになったのです。戦争という過酷な環境の中から、負傷した仲間を思う優しさが、このファッションアイテムを生み出したのですね。
ファッションアイテムへの昇華
軍服として生まれたカーディガンが、ファッションの世界で注目されるようになるのは、20世紀に入ってからのことです。その立役者の一人が、かの有名なファッションデザイナー、ココ・シャネルです。
シャネルは、それまで男性のものとされていたジャージー素材やツイード素材を女性服に取り入れるなど、女性のファッションに革命をもたらした人物です。彼女は、着心地が良く機能的なカーディガンにも着目しました。1920年代、シャネルは自身のコレクションで、リラックス感のあるカーディガンとスカートを組み合わせたスタイルを発表。これが、窮屈なコルセットから女性を解放し、自立した新しい女性像を象徴するファッションとして、多くの女性たちから支持を得たのです。
その後、時代と共にカーディガンは様々なスタイルで流行しました。1950年代には、体にフィットするコンパクトなカーディガンとフレアスカートを合わせる「フィフティーズスタイル」が人気を博しました。60年代には、ビートルズなどのミュージシャンが好んで着用したことで、男性ファッションの定番アイテムとしても定着。90年代には、ざっくりとした大きめサイズのカーディガンをTシャツやジーンズに合わせる「グランジファッション」が一世を風靡しました。このように、カーディガンは時代を映し出す鏡のように、その姿を変えながら、常に人々の生活に寄り添ってきたのです。
【種類別】カーディガンの特徴を知ろう
一言でカーディガンと言っても、その種類は実に様々です。素材、編み方、デザイン、丈の長さなど、それぞれの特徴を知ることで、自分の好みや目的に合った一枚を見つけやすくなります。ここでは、カーディガンを選ぶ上でのポイントを詳しく解説していきます。
素材で選ぶ
カーディガンの印象や機能性を大きく左右するのが「素材」です。それぞれの素材のメリット・デメリットを知っておきましょう。
- ウール
羊の毛から作られる動物繊維で、冬のニットの代表格です。最大の特徴は高い保温性。繊維がクリンプ(縮れ)しているため、たくさんの空気を含み、体温を逃がしにくいのです。また、吸湿性にも優れており、汗をかいても蒸れにくいという長所もあります。一方で、水に濡れると縮みやすい、虫食いに弱いといった注意点もあります。ウールの中にも様々な種類があります。 - メリノウール
ウールの中でも最高級品とされるのがメリノウールです。メリノ種という羊から採れる毛で、繊維が非常に細く、柔らかいのが特徴です。チクチクしにくく、肌触りが抜群に良いため、直接肌に触れるような着方をしても快適です。上品な光沢感もあり、きれいめなスタイリングにも向いています。 - ラムウール
生後5〜7ヶ月前後の仔羊から刈り取った羊毛のことです。通常のウールよりも繊維が細く、ふんわりと柔らかいのが特徴。保温性も高く、優しい着心地です。 - シェットランドウール
スコットランドのシェットランド諸島に生息する羊の毛です。厳しい寒さの中で育つため、毛質はやや硬めでハリと光沢があります。ざっくりとした素朴な風合いが魅力で、冬のカジュアルなカーディガンによく使われます。 - カシミヤ
カシミヤヤギから採れる獣毛繊維で、「繊維の宝石」とも呼ばれる高級素材です。軽くて非常に暖かく、うっとりするような滑らかな肌触りが魅力。生産量が少なく希少なため高価ですが、その着心地と上品な光沢感は格別です。特別な一着として持つのも良いかもしれません。 - コットン(綿)
綿花の種子から採れる植物繊維です。通気性と吸水性に優れ、肌に優しい自然な風合いが特徴です。ウールのようなチクチク感がないため、肌がデリケートな方にもおすすめです。季節を問わず使える汎用性の高さも魅力で、特に春や夏の羽織りものとして重宝します。洗濯が比較的簡単なのも嬉しいポイントです。 - リネン(麻)
亜麻(フラックス)という植物から作られる植物繊維です。シャリ感のある涼しげな肌触りで、吸水・発散性に非常に優れています。汗をかいても肌に張り付きにくく、サラッとした着心地が続くため、夏のカーディガンに最適な素材です。独特の光沢と、使い込むほどに柔らかく風合いが増すのも魅力です。ただし、シワになりやすいという特性もあります。 - アクリル
石油を原料として作られる合成繊維です。ウールに似たふっくらとした風合いを持つように加工されることが多く、軽くて暖かいのが特徴です。発色が良く、様々な色を表現できるため、デザイン性の高いカーディガンによく使われます。また、薬品や虫に強く、洗濯機で洗えるものが多いなど、取り扱いが簡単な点もメリットです。ただし、吸湿性が低いため蒸れやすく、静電気が起きやすい、毛玉ができやすいといった側面もあります。 - ポリエステル
こちらも石油を原料とする合成繊維です。非常に丈夫で、シワになりにくく、乾きやすいという優れた特性を持っています。型崩れしにくいため、お手入れが非常に楽です。スポーツウェアにも使われる素材で、サラッとした肌触りのものが多いです。他の素材と混ぜて(混紡)、耐久性を高める目的で使われることもよくあります。 - 混紡素材
ウールとアクリル、コットンとポリエステルなど、複数の素材を混ぜて作られたものです。それぞれの素材の長所を組み合わせることで、「ウールの暖かさと、アクリルの手入れのしやすさ」や「コットンの肌触りと、ポリエステルのシワになりにくさ」といった、より機能的な生地を作ることができます。洗濯表示を見て、どんな素材がどのくらいの割合で入っているかチェックするのも面白いですよ。
編み方で選ぶ
ニットの表情を決めるのが「編み方」です。ゲージ(編み目の細かさ)や編み模様によって、見た目の印象や着心地が大きく変わります。
- ハイゲージ
「ゲージ」とは編み機の針の密度を示す単位で、ハイゲージは編み目が細かく、密に編まれたニットのことを指します。薄手で表面が滑らかなので、上品でクリーンな印象を与えます。スーツやジャケットのインナーにも合わせやすく、ビジネスシーンやきれいめなスタイルにぴったりです。体にフィットするシルエットのものが多いのも特徴です。 - ミドルゲージ
ハイゲージとローゲージの中間にあたる編み方です。ほどよい厚みと編み目の表情があり、カジュアルにもきれいめにも着こなせる万能タイプです。一枚で着ても、インナーとしても使いやすく、最も汎用性が高いと言えるでしょう。どんなカーディガンを選べばいいか迷ったら、まずミドルゲージを試してみるのがおすすめです。 - ローゲージ
編み目が粗く、ざっくりと編まれたニットのことです。太い糸で編まれることが多く、厚手でボリューム感があります。手編みのような温かみとリラックスした雰囲気が魅力で、カジュアルなスタイリングに最適です。空気を多く含むため保温性も高いですが、風を通しやすい場合もあります。見た目に存在感があるので、コーディネートの主役になります。 - ケーブル編み(アラン編み)
縄のような模様が立体的に浮かび上がる編み方です。アイルランドのアラン諸島を発祥とすることから「アランニット」とも呼ばれます。漁師たちが着ていたセーターが起源で、模様には安全や大漁を願う意味が込められていると言われています。トラディショナルで温かみのある印象を与え、秋冬のカーディガンの定番デザインです。 - リブ編み
ゴム編みとも呼ばれ、表編みと裏編みを交互に繰り返すことで、畝(うね)のような凹凸ができる編み方です。横方向への伸縮性が非常に高いのが最大の特徴で、体に心地よくフィットします。カーディガンの袖口や裾によく使われますが、全体がリブ編みになっているデザインもあり、すっきりとした縦のラインを強調してくれます。 - ワッフル編み
お菓子のワッフルのように、格子状の凹凸がある編み地です。生地の凹凸部分に空気をため込むため、保温性に優れています。また、肌に触れる面積が少ないため、サラッとした着心地も特徴です。見た目にも表情があり、一枚で着てもサマになります。
デザインで選ぶ
襟元のデザインも、顔周りの印象を大きく変える重要なポイントです。
- Vネック
首元がV字に開いた、最もスタンダードなデザインです。顔周りをシャープに見せ、すっきりとした印象を与えます。インナーにシャツの襟を出したり、Tシャツやタートルネックをのぞかせたりと、レイヤード(重ね着)を楽しみやすいのが魅力です。ビジネスからカジュアルまで、幅広いシーンで活躍します。 - クルーネック
首元が丸く詰まったデザインです。Tシャツのネックラインとしておなじみですね。柔らかく、優しい印象を与えます。ボタンを全て留めれば、プルオーバーのセーターのように着こなすこともでき、着こなしの幅が広がります。カジュアルな印象が強いですが、素材やゲージによってはきれいめにも着られます。 - ヘンリーネック
クルーネックの首元に、ボタンが2〜3個付いたデザインです。もともとはイギリスのヘンリー・オン・テムズで行われるボートレースの選手が着ていたユニフォームが由来です。ボタンの開け閉めで印象を変えることができ、一枚で着てもサマになるデザイン性が魅力。Tシャツのような感覚でラフに着こなせます。 - ショールカラー
ショール(肩掛け)をかけたように見える、丸みを帯びたへちま型の襟のことです。首元にボリュームがあり、エレガントで上品な印象を与えます。ガウンのようなリラックス感もあり、大人の休日スタイルにぴったり。タキシードの襟にも使われるデザインで、クラシックな雰囲気が魅力です。 - ノーカラー
その名の通り、襟がないデザインです。首周りが非常にすっきりしているので、モダンで洗練された印象になります。タートルネックやパーカーなど、首元にボリュームのあるインナーとも相性抜群。ストールやマフラーなどの巻物も合わせやすいのが特徴です。
丈の長さで選ぶ
カーディガンの丈は、全体のシルエットを決定づける重要な要素です。
- ショート丈
腰骨あたりまでの短い丈のカーディガンです。視線が上に集まるため、脚を長く見せる効果が期待できます。ワンピースやハイウエストのボトムスとの相性が抜群で、すっきりとバランス良くまとまります。コンパクトなシルエットなので、小柄な方にもおすすめです。 - ミドル丈
お尻が隠れるくらいの、最もベーシックな丈です。どんなボトムスとも合わせやすく、着回し力が非常に高いのが魅力。体型やトレンドに左右されにくく、長く愛用できる一枚です。迷ったら、まずはこのミドル丈から選ぶと良いでしょう。 - ロング丈
膝下からくるぶしあたりまでの長い丈のカーディガンです。羽織るだけで縦のラインが強調され、スタイリッシュな印象と体型カバーを両立してくれます。コートのような感覚で使え、シンプルなコーディネートに羽織るだけで、ぐっとおしゃれな雰囲気に。リラックス感のある着こなしにも最適です。
【季節別】カーディガン着こなし術
カーディガンは、合わせるアイテムや着こなし方を工夫することで、一年を通して活躍してくれる万能選手です。ここでは、春夏秋冬、それぞれの季節におすすめのカーディガンの楽しみ方をご紹介します。
春の着こなし
三寒四温で気温が安定しない春は、カーディガンが最も活躍する季節の一つです。体温調節のしやすさが、春のカーディガンスタイルの鍵になります。
日中は暖かくても朝晩は冷え込む春先には、コットンやハイゲージウールのカーディガンが重宝します。冬のコートを脱いで、軽やかなカーディガンを主役にしたコーディネートを楽しみましょう。白のTシャツにデニムというシンプルな服装も、きれいな色のカーディガンを一枚羽織るだけで、ぐっと春らしい華やかな印象になります。ピンクやイエロー、ミントグリーンなど、春らしい明るい色を差し色として取り入れるのがおすすめです。
着こなしのテクニックとしては、「肩掛け」や「プロデューサー巻き」が便利です。日中、暖かくなってカーディガンを脱いだ時に、手に持つのではなく、肩にサッとかけたり、肩から斜めに巻いたりするだけで、こなれた雰囲気を演出できます。アクセサリー感覚でカーディガンを使うことで、コーディネートに立体感が生まれます。ブラウスや薄手のシャツの上に羽織るスタイルも、春の定番です。オフィスでの冷房対策としても、一枚あると安心ですね。
夏の着こなし
「夏にカーディガン?」と思うかもしれませんが、夏こそカーディガンの出番が多い季節です。夏のカーディガンの主な役割は、「冷房対策」と「日焼け対策」です。
屋外は汗ばむ陽気でも、電車やオフィス、商業施設の中は冷房が効きすぎていて肌寒い、なんて経験はありませんか?そんな時に、バッグに忍ばせておいたカーディガンが役立ちます。素材は、通気性と吸湿性に優れたリネンや薄手のコットン、UVカット機能のあるポリエステルなどが最適です。サラッとした肌触りのものを選べば、汗をかいても快適に過ごせます。
強い日差しから肌を守るための日焼け対策としてもカーディガンは有効です。ノースリーブのトップスやワンピースを着たいけれど、腕を出すのは少し抵抗がある…という時にも、シアー(透け感のある)素材のカーディガンを羽織れば、涼しげな印象を保ちつつ、気になる部分をさりげなくカバーできます。色は、見た目にも涼しい白やブルー、ベージュなどが人気です。鮮やかなビタミンカラーを選んで、夏らしいリゾートスタイルを楽しむのも素敵です。
秋の着こなし
夏の終わりを感じ、少しずつ空気が涼しくなってくる秋。カーディガンで季節感を先取りしましょう。秋のキーワードは「素材感」と「色」です。
夏の間活躍した薄手のコットンカーディガンから、少し温かみのあるミドルゲージのウールや、起毛感のある素材のカーディガンに衣替え。こっくりとした深みのある色、例えばブラウン、ボルドー、マスタード、カーキ、テラコッタなどを取り入れるだけで、一気に秋らしいムードが高まります。チェック柄のシャツや、コーデュロイのパンツなど、秋らしいアイテムとの相性も抜群です。
秋は重ね着(レイヤード)が本格的に楽しめる季節。ハイネックのカットソーや、タートルネックのセーターの上にVネックのカーディガンを重ねたり、ワンピースにロングカーディガンを合わせたりと、様々な組み合わせを試してみましょう。ざっくりとしたローゲージのケーブル編みカーディガンを主役に、デニムやチノパンを合わせるだけで、温かみのあるカジュアルスタイルの完成です。
冬の着こなし
本格的な寒さが訪れる冬。カーディガンはアウターとしてはもちろん、コートの下に着る「ミドルレイヤー」として大活躍します。
防寒性を重視するなら、厚手のローゲージウールや、保温性抜群のカシミヤのカーディガンがおすすめです。特に、目の詰まったウールカーディガンは、風を通しにくく、アウター並みの暖かさを発揮してくれることも。インナーには保温性の高い機能性インナーや、タートルネックのニットを合わせると、さらに暖かく過ごせます。
冬の着こなしで重要なのが、アウターの中にカーディガンを重ねるテクニックです。チェスターコートやトレンチコートのようなきれいめのアウターの中に、ハイゲージのVネックカーディガンを挟むと、防寒性がアップするだけでなく、コーディネートに奥行きが生まれます。襟元からカーディガンの色を少しのぞかせるだけでも、印象が変わります。また、室内に入ってコートを脱いだ時も、カーディガンを着ていれば、きちんとした印象を保てて、体温調節も簡単です。暖房の効いた室内では、アウター代わりの羽織りものとして、冬の間ずっと頼りになる存在です。
【シーン別】カーディガン活用法
カーディガンは、着ていく場所や目的に合わせて選ぶことで、その魅力を最大限に発揮します。ここでは、代表的な3つのシーンに合わせたカーディガンの選び方と活用法を見ていきましょう。
オフィス・ビジネスシーン
オフィスでのカーディガンは、きちんと感と清潔感が何よりも大切です。だらしなく見えないように、サイズ感と素材選びに注意しましょう。
おすすめは、編み目が細かいハイゲージのカーディガンです。薄手で体にフィットするものが多く、ジャケットのインナーとして着ても着ぶくれしにくいのがメリットです。デザインは、シャツとの相性が良いVネックか、上品な印象のクルーネックが基本。色は、ネイビー、ブラック、グレー、ベージュといった、どんな色のスーツやシャツにも合わせやすいベーシックカラーを揃えておくと非常に便利です。
オフィスの空調は自分で調整できないことが多いので、カーディガンは必須アイテムと言えます。夏は冷房対策として、冬は防寒対策として、一年中デスクの椅子にかけたり、ロッカーに置いておいたりすると良いでしょう。ボタンを全て留めて、一枚のニットのように着こなすのも上品です。ただし、毛玉ができていたり、ヨレヨレになっていたりするものは清潔感に欠けるので、こまめなお手入れを心がけましょう。カジュアルすぎるローゲージのカーディガンや、派手な色・柄物は避けるのが無難です。
カジュアル・普段着
プライベートな時間に着るカーディガンは、ルールに縛られず、自分の好きなデザインや素材を自由に楽しむことができます。機能性だけでなく、ファッションとしての役割を存分に発揮させましょう。
休日のリラックスしたスタイルには、ざっくりとしたローゲージのカーディガンや、柔らかな風合いのミドルゲージがぴったりです。Tシャツとジーンズという究極のシンプルコーデも、表情豊かなカーディガンを一枚羽織るだけで、ぐっとおしゃれ度がアップします。ケーブル編みやワッフル編みなど、編み地に特徴のあるものを選ぶと、コーディネートの主役になります。
また、ロングカーディガンもカジュアルシーンで大活躍するアイテム。気になる腰回りやお尻をカバーしてくれるだけでなく、歩くたびに裾が揺れて、こなれた雰囲気を演出してくれます。ワイドパンツやロングスカートと合わせた、ゆるっとしたシルエットのコーディネートも今の気分にぴったりです。色や柄で遊ぶのも楽しいですね。ボーダー柄でフレンチシックに、ノルディック柄で冬らしい温かみを、鮮やかなカラーでコーディネートにアクセントをプラスするなど、カーディガン一つで様々な表情を楽しめます。
フォーマル・きれいめシーン
結婚式の二次会や、レストランでの食事会、子供の学校行事など、少しだけきちんとしたい場面でもカーディガンは役立ちます。ポイントは「素材の上質さ」と「品のあるデザイン」です。
素材は、上品な光沢と滑らかな肌触りのカシミヤやシルク混、目の細かいハイゲージのメリノウールなどがおすすめです。光沢感のある素材は、フォーマルな場にふさわしい華やかさを添えてくれます。デザインは、ワンピースの上にも羽織りやすいショート丈のクルーネックカーディガンや、ボレロ風のデザインが便利です。ボタンにパールやビジューがあしらわれたものを選ぶと、アクセサリー感覚で着こなせます。
また、「アンサンブルニット」もフォーマルシーンで頼りになるアイテムです。これは、カーディガンと、それと同じ素材・色の半袖やノースリーブのインナーニットがセットになったもの。セットで着るだけで、統一感のあるエレガントなスタイルが完成します。別々に着ることもできるので、着回し力も高いのが魅力です。色は、ブラック、ネイビー、ホワイト、ベージュなどの落ち着いた色を選ぶと、どんな場にも対応しやすく、長く使うことができます。
カーディガンのお手入れ方法
お気に入りのカーディガンを、できるだけ長く、きれいな状態で着続けたいですよね。そのためには、日頃のお手入れがとても重要です。特にデリケートなニット製品は、扱い方を間違えると縮んだり、型崩れしたりする原因になります。ここでは、基本的なお手入れのポイントを「洗濯」「干し方」「保管」「毛玉対策」の4つに分けてご紹介します。
洗濯の基本
まず、何よりも先にやるべきことは「洗濯表示の確認」です。カーディガンの内側についているタグには、その服に合った正しい洗濯方法が記号で示されています。「家庭洗濯不可(洗濯桶に×印)」のマークがあるものは、自宅で洗わずにクリーニングに出しましょう。特に、カシミヤやウール100%などのデリケートな素材は、プロに任せるのが安心です。
家庭で洗える場合は、「手洗い」が最もおすすめです。
- 洗面器や洗濯桶に30℃以下のぬるま湯を張り、中性洗剤(おしゃれ着洗い用洗剤)を溶かします。
- カーディガンを裏返しにして、軽くたたんでから静かに沈めます。
- 生地を傷めないように、揉んだりこすったりせず、手のひらで優しく20〜30回ほど「押し洗い」します。
- 水を入れ替えて、きれいな水で泡が出なくなるまで2〜3回、優しくすすぎます。柔軟剤を使う場合は、最後のすすぎの時に入れます。
洗濯機を使う場合は、必ず「おしゃれ着コース」や「ドライコース」「手洗いコース」などの弱水流コースを選びましょう。そして、カーディガンは裏返してきれいにたたみ、必ず洗濯ネットに入れます。ネットに入れることで、他の洗濯物との絡まりや、洗濯槽との摩擦による生地の傷みを防ぐことができます。洗剤は同様に中性洗剤を使用してください。
脱水は、型崩れや縮みの大きな原因になります。手洗いの場合も、洗濯機の場合も、脱水時間は30秒〜1分程度のごく短時間に設定しましょう。手で絞るのは絶対に避けてください。タオルで挟んで水分を吸い取る「タオルドライ」もおすすめです。
干し方のコツ
濡れたニットは非常に伸びやすいため、干し方には細心の注意が必要です。最も理想的な干し方は「平干し」です。
平干し専用のネットを使うのがベストですが、なければお風呂の蓋の上や、ピンチハンガーの上に広げて干すこともできます。まず、カーディガンの形をきれいに整えます。手のひらで軽くたたいて、シワを伸ばし、縮んでいる部分があれば優しく広げます。この時、元のサイズ以上に引っ張らないように注意してください。
ハンガーにかけて干すのは、水の重みで生地が伸びてしまい、型崩れの原因になるため、基本的には避けたい方法です。どうしてもハンガーを使う場合は、伸びを防ぐ工夫をしましょう。例えば、ハンガーを2本使い、胴体部分と袖部分を別々のハンガーにかける方法や、竿に直接二つ折りにしてかける「さお干し」も有効です。ワイヤーハンガーのような細いものではなく、肩の部分に厚みのあるハンガーを選ぶと、肩に変な跡がつきにくくなります。
干す場所は、必ず「風通しの良い日陰」を選んでください。直射日光は、繊維を傷めたり、色あせの原因になったりします。特にウールなどの動物性繊維は、紫外線によってダメージを受けやすいので注意が必要です。
保管のポイント
シーズンオフなどで長期間カーディガンを着ない時の保管方法も、長持ちさせるための重要なポイントです。
洗濯の干し方と同様に、ハンガーにかけっぱなしで保管するのは避けましょう。カーディガン自体の重みで、肩の部分が伸びたり、全体が型崩れしたりしてしまいます。必ず、きれいにたたんで、引き出しや収納ケースに平置きで保管するようにしてください。たたむ際は、シワにならないように、ふんわりとたたみましょう。
ウールやカシミヤなどの天然繊維は、衣類害虫(ヒメカツオブシムシなど)の大好物です。虫食いを防ぐために、必ず防虫剤を一緒に入れましょう。防虫剤の成分は空気より重いものが多いため、衣類の上に置くと効果的です。また、衣替えで長期間しまう前には、必ず一度洗濯(またはクリーニング)をして、汗や皮脂などの汚れをしっかり落としておくことが大切です。汚れが残っていると、虫食いや黄ばみの原因になります。
毛玉(ピリング)の対処法
ニット製品の宿命ともいえるのが「毛玉(ピリング)」です。毛玉は、着用中の摩擦によって繊維の表面が毛羽立ち、それらが絡み合ってできるものです。特に、脇の下や袖の内側、バッグがこすれる部分などにできやすいです。毛玉があると、どんなに素敵なカーディガンも古びて見えてしまいます。
毛玉を見つけたら、手でむしり取るのは絶対にやめましょう。無理に引っ張ると、周りの繊維まで引き出してしまい、新たな毛玉の原因になったり、生地が薄くなったりします。毛玉のケアには、専用の道具を使いましょう。
最も一般的なのは「毛玉取り器(電動)」です。広範囲の毛玉を効率よく取ることができますが、強く当てすぎると生地に穴を開けてしまう可能性があるので、衣類を平らな場所に置き、優しく表面をなでるように使いましょう。もう一つは「毛玉取りブラシ」です。豚毛などの硬い毛のブラシで、生地の目に沿って優しくブラッシングすることで、毛玉を絡め取ります。生地への負担が少ないのがメリットです。また、小さなハサミ(眉毛用ハサミなど)で、毛玉を一つ一つカットする方法もあります。手間はかかりますが、生地を傷つけにくい丁寧な方法です。日頃から着用後に洋服ブラシでブラッシングして、繊維の絡まりをほぐしておくと、毛玉の発生をある程度予防することができます。
知ってるとちょっと自慢できる?カーディガンの豆知識
最後に、知っているとカーディガンを着るのがもっと楽しくなる、ちょっとした豆知識をご紹介します。友人との会話のネタにもなるかもしれませんよ。
ボタンの留め方マナー?
スーツのジャケットの一番下のボタンは留めない、という「アンボタンマナー」を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、カーディガンにも似たような考え方があります。
一般的に、カーディガンのボタンも、一番下の一つは開けておくのが基本とされることがあります。これにはいくつかの理由があります。一つは、ジャケットのアンボタンマナーに由来する、クラシックな着こなしのルールという側面。もう一つは、実用的な理由です。一番下のボタンを開けておくことで、座った時にお腹周りにシワが寄るのを防ぎ、シルエットをきれいに保つことができます。また、腰回りの窮屈さがなくなり、動きやすくなるというメリットもあります。
ただし、これはあくまで「基本」や「マナー」の一つであり、絶対的なルールではありません。ファッションは自由なものです。クルーネックカーディガンのボタンを全部留めてプルオーバー風に着こなしたり、逆に上下のボタンをいくつか開けて抜け感を出したりと、着こなし方は様々です。特に女性の場合は、ウエスト位置を高く見せるために、下のボタンだけを留めるというテクニックもあります。基本を知った上で、自分のなりたいスタイルに合わせて、ボタンの留め方をアレンジするのが、おしゃれ上級者への近道です。
カーディガンの色の選び方
たくさんの色があるカーディガン。何色を選べばいいか迷ってしまうこともありますよね。色の選び方には、いくつかのヒントがあります。
まず、着回し力を重視するなら、黒、白(オフホワイト)、グレー、ネイビー、ベージュといった「ベーシックカラー」が間違いありません。これらの色は、どんな色のインナーやボトムスとも相性が良く、オンオフ問わずに活躍してくれます。クローゼットに一枚あると、コーディネートに困った時に頼りになる存在です。
次に、コーディネートのアクセントとしてカーディガンを使いたいなら、赤、青、黄色、緑といった「差し色」を選んでみましょう。全身をベーシックカラーでまとめた日に、鮮やかな色のカーディガンを羽織るだけで、パッと華やかでおしゃれな印象になります。普段あまり着ない色でも、カーディガンなら挑戦しやすいかもしれません。
さらに一歩進んで、自分に似合う色を見つけたいなら「パーソナルカラー」を参考にしてみるのも良い方法です。パーソナルカラーとは、その人の肌、髪、瞳の色などと調和し、魅力を引き出してくれる色のグループのことです。自分に似合う色のカーディガンを身につけると、顔色が明るく見えたり、健康的に見えたりといった効果が期待できると言われています。簡単な自己診断サイトなどもたくさんあるので、試してみるのも面白いですよ。
「プロデューサー巻き」って?
カーディガンの着こなし方の一つとして、袖を前で結んで肩にかけるスタイルがありますよね。これを「プロデューサー巻き」と呼びます。今ではすっかりおしゃれな着こなしテクニックとして定着していますが、なぜこのような名前がついたのでしょうか。
その由来には諸説ありますが、最も有力なのは、1980年代から90年代にかけて、テレビ業界のプロデューサーたちが好んでこのスタイルをしていたから、という説です。当時のテレビ局のスタジオは、強い照明の熱で暑くなる一方、編集室は機材のために冷房がガンガンに効いている、という極端な温度差のある環境でした。そのため、着脱しやすく、温度調節が簡単なカーディガンは必需品。そして、脱いだカーディガンを手に持つと邪魔になるため、サッと肩にかけていたのが始まりだと言われています。その姿が業界の象徴的なスタイルとして認識され、「プロデューサー巻き」というユニークな名前で広まったようです。今では、実用的な意味合いだけでなく、コーディネートに立体感やアクセントを加えるためのファッションテクニックとして、多くの人に楽しまれています。
まとめ
いかがでしたか?カーディガンの歴史から、素材やデザインの種類、季節やシーン別の着こなし、そして長く愛用するためのお手入れ方法まで、カーディガンにまつわる情報をたっぷりとご紹介しました。商品の紹介は一切ありませんでしたが、きっとあなたのカーディガンライフをより豊かにするヒントが見つかったのではないでしょうか。
一枚のカーディガンには、クリミア戦争の兵士を思う優しさや、女性のファッションを解放したココ・シャネルの革新的な精神など、たくさんの物語が詰まっています。そして、ウール、カシミヤ、コットンといった素材の違い、ハイゲージやローゲージといった編み方の違いを知ることで、なぜこのカーディガンは暖かく、なぜこのカーディガンは涼しいのか、その理由が分かってきます。
カーディガンは、ただの羽織りものではありません。体温を調節してくれる実用的なアイテムでありながら、着こなし方次第で主役にも脇役にもなれる、無限の可能性を秘めたファッションアイテムなのです。この記事を参考に、ぜひあなただけのカーディガンスタイルを見つけて、日々のファッションをもっと楽しんでください。そして、お気に入りの一枚を見つけたら、正しいお手入れをして、大切に長く着続けてあげてくださいね。

